平胃散(へいいさん)は漢方薬のひとつ。出典は『和剤局方』。
構成生薬
- 蒼朮(ソウジュツ)
- 陳皮(チンピ)
- 厚朴(コウボク)
- 大棗(タイソウ)
- 生姜(ショウキョウ)
- 甘草(カンゾウ)
適応
- 水毒に有効。消化器症状(胃カタル、胃アトニー、消化不良、食欲不振など)。蒼朮が主薬で、湿邪を除き運脾する。
派生物
- 胃苓湯(いれいとう) - 平胃散に五苓散を合方した処方。下痢、むくみなどに使用。
- 加味平胃散 - 平胃散に、神麴、麦芽、山査子を加え、消化促進を高めた処方。
- 香砂平胃散 - 平胃散に香附子と縮砂を加えた処方。さらにシャクヤクを加えたものは、タケダ漢方胃腸薬Kとして市販されている。
- 正気散 - 平胃散に藿香と半夏を加味した不換金正気散、さらに蘇葉、白芷、茯苓、大腹皮、桔梗を加えたものは藿香正気散となる。
脚注
参考文献
- 田中耕一郎『生薬と漢方薬の事典』日本文芸社、2020年、238頁。ISBN 978-4-537-21780-3。



