サネカズラ属 (サネカズラぞく、学名: Kadsura) は被子植物のマツブサ科に分類される属の1つである。常緑性のつる性木本であり、精油を含む。 花は単性花であり雌雄同株または雌雄異株、らせん状に配置した多数の花被片、雄しべ、雌しべ (心皮) をもつ。果実は赤熟または黄熟する液果であり、球状の集合果になる (図1)。17種ほどが知られ、東アジアから東南アジアに分布している。日本には、サネカズラとリュウキュウサネカズラの2種が自生している。

学名の Kadsura は、日本語の「葛 (かずら)」に由来する。サネカズラ属の植物はさまざまな生理活性物質を含み、いくつかの種は中国で古くから民間薬として用いられている。

特徴

常緑性のつる性木本 (藤本) である (下図2a)。葉柄をもち、葉身は楕円形から卵形、倒卵形、革質から洋紙質、基部はくさび形から切形、亜心形、先端は鋭形から鋭突形、葉縁には全縁または鋸歯がある (下図2)。

花は単性、雌雄同株または雌雄異株。花は葉腋生 (鱗片を含む) または茎生花であり、花柄の先に単生する (まれに2–4個) (上図2c)。花被片は7–24枚、離生し、らせん状につき、外側のものは小さい。雄しべは13–80個、らせん状につき、基部で合着または半球状に密に合着し、花糸は肉質で短く、葯は側生し小型、葯隔は横に広がる。花粉は放射状の6溝粒。心皮は17-約300個、離生、1-5(-11)個の胚珠を含み、球形の花托上にらせん状につく。個々の果実は球形の液果、赤色または黄色に熟し、これが集まって球形から卵形の集合果となる (上図2b)。各果実は1-5(-11)個の種子を含み、種子の表面は平滑。

分布

日本から中国南部、東南アジア、セイロン島の温帯域から熱帯域に分布している。

系統と分類

サネカズラ属 (Kadsura) はマツブサ科に属し、特にマツブサ属 (Schisandra) に近縁である。ただし分子系統学的研究からは、サネカズラ属が単系統群ではなく、マツブサ属に分類されている一部の種 (S. plena, S. propinqua) が、系統的にサネカズラ属の中に含まれることが示されている (下図3)。

サネカズラ属には、およそ17種が知られている (下表1)。日本にはサネカズラとリュウキュウサネカズラが自生している。

脚注

注釈

出典

外部リンク

  • Flora of China Editorial Committee (2010年). “Kadsura”. Flora of China. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2021年8月11日閲覧。 (英語)
  • Kadsura”. Plants of the World online. Kew Botanical Garden. 2021年8月11日閲覧。 (英語)
  • GBIF Secretariat (2021年). “Kadsura”. GBIF Backbone Taxonomy. 2021年8月11日閲覧。

12/3 ビナンカズラ(美男葛)マツブサ科 サネカズラ属 常緑つる性植物 別名:サネカズラ 日本、朝鮮半島南部、台湾、中国に分布する。 名前は

サネカズラ *花写真館*

サネカズラ/ビナンカズラ

サネカズラ *花写真館*

ビナンカズラ