SQLAlchemyは、Pythonプログラミング言語のためのオープンソースのSQLツールキットおよびオブジェクト関係マッピングライブラリ(ORM)で、MIT Licenseの下で公開されている。
概要
SQLAlchemyの哲学は、リレーショナルデータベースは規模が大きくなりパフォーマンスが懸念されるようになるにつれて、オブジェクトコレクションのように振る舞わなくなり、一方、オブジェクトコレクションは、抽象化が進むとテーブルや行のように振る舞わなくなる、という2つの原則に対応することである。このため、SQLAlchemyでは、他の多くのオブジェクトリレーショナルマッパーが採用しているアクティブレコードパターンではなく、データマッパーパターンを採用している(Java言語のHibernateと類似)。
歴史
SQLAlchemyは2006年2月に最初にリリースされた。
例
次の例は、映画とその監督との間の n対1 の関係を表している。ユーザー定義のPythonクラスに対応するデータベーステーブルを作成する方法、リレーションシップを持つインスタンスをリレーションの両側から作成する方法、最後にデータを検索する方法について、遅延読み込みと一括読み込みの両方で自動生成されたSQLクエリを説明する。
スキーマ定義
2つのPythonクラスとそれに対応するデータベーステーブルをDBMSに作成する。
データ挿入
監督と映画の関係は、どちらかのエンティティを介して挿入することができる。
クエリ
SQLAlchemyは、DBMSに次のクエリを発行する(エイリアスは省略)。
この出力は次のようになる。
代わりに lazy=True (default)を指定すると、SQLAlchemyは、はじめに映画のリストを取得し、必要な場合のみ(遅延、lazy)それぞれの監督に対応する監督 の名前を取得するクエリを発行する。
脚注
- ノート
- Gift, Noah (2008年8月12日). “Using SQLAlchemy”. Developerworks. IBM. 2011年2月8日閲覧。
- Rick Copeland, Essential SQLAlchemy, O'Reilly, 2008, ISBN 0-596-51614-2
関連項目
- ORMライブラリ
- SQLObject - SQLデータベースとPythonオブジェクト間のPythonオブジェクトリレーショナルマッパー
- Storm (ソフトウェア) - SQLデータベースとPythonオブジェクト間のオブジェクトリレーショナルマッピング用のプログラミングライブラリ
- Python言語で記述されたWebアプリケーションフレームワーク
- Pylons - ORMライブラリとしてSQLAlchemyを使用できる
- TurboGears - バージョン2.0以降でORMライブラリとしてSQLAlchemyを採用
- Cubes (OLAPサーバ) - Python言語で記述された軽量なオープンソースの多次元モデリングおよびOLAPツール
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- SQLAlchemy Tutorial




