『申斎集』(しんさいしゅう)は、14世紀に成立した元代の劉岳申による文集。『申斎劉先生文集』とも表記される。
概要
著者の劉岳申は吉州吉水県の人で、呉澄の推薦を受けて仕官した人物であった。『申斎集』は劉岳申の没後に刊行されたが散逸し、明代に入って門人が遺稿を集め、吉水州知州の費震がこれを刊行した。明初の鈔本が後に『元代珍本文集彙刊』『四庫全書珍本十二集』『文淵閣四庫全書』などに所収され、現在に伝わる。記録によると劉岳申は多くの文人と交流があり、著作は1千を超えたというが、現在伝わるのは文210編のみである。特に、巻13所収の「文丞相(文天祥)伝」は重要史料と位置づけられている。
内容
脚注
参考文献
- 植松正「申斎集」『中国史籍解題辞典』燎原書店、1989年
- 宮紀子『モンゴル時代の出版文化』名古屋大学出版会、2006年



